「歯が痛くなったから、歯医者に行く」
そう考えている方は、
実はとても多いです。
身体のどこかが悪くなれば、
病院に行く。
それは、自然なことです。
高熱が出たから。
鼻づまりがつらいから。
腰が痛くて動けないから。
内科や耳鼻科、整形外科に行く。
多くの方が経験していることだと思います。
だからこそ、
「歯が痛くなったら歯医者に行く」
これも同じだと思われがちです。
でも――
歯や歯ぐきの病気は、少し違います。
痛みは、「始まり」ではありません
虫歯や歯周病は、
痛みが出た時点で、すでに進んでいることが多い病気です。
つまり、
痛くなってから来る場所ではない。
歯科医院は、
痛くなる前に来る場所です。
今日は、
「なぜ痛くなってからでは遅いのか」
その理由をお話しします。
▼記事監修
――広島県安芸郡府中町にある新生歯科医院、院長の河本です。
「自分で気づけそう」は、思い込みです
虫歯や歯周病というと、
・歯に穴があく
・冷たいものがしみる
・噛むと痛い
・歯ぐきが腫れて血が出る
こうした症状を思い浮かべる方が多いと思います。
だから、
「何かあれば気づける」
「検診に行かなくても大丈夫そう」
そう感じてしまう。
――その気持ちは、よくわかります。
ですが、
実際は、かなり進行するまで症状が出ない
それが、虫歯と歯周病です。
痛くも、しみもしない。
でも、
病気は始まっている。
これが、一番やっかいなところです。
初期の虫歯は、ほとんど見えません
「奥歯の溝が黒いんですが、虫歯ですか?」
こんな質問を受けることがあります。
虫歯と聞くと、
歯が黒くなって、穴があく。
そんなイメージを持たれている方が多いです。
絵本に出てくるような、
黒く欠けた歯。
あれは、
かなり進行した虫歯です。
できたばかりの虫歯は、
実は、ほとんど黒く見えません。
・歯と歯の間
・歯が重なって影になる部分
・被せ物のふちの細かいところ
こうした場所に、
ごく小さな穴が、そっとできるだけです。
診察台で角度を調整し、
ライトを当て、
専用の器具を使い、
時にはレントゲンを撮って――
ようやく見つかります。
この段階では、
痛みも、しみる感じも、ほとんどありません。
「気づけなくて当然です」
そうお伝えすることも、少なくありません。
痛みが出たとき、虫歯は深く進んでいます
虫歯は、
表面を大きく壊す前に、
中で静かに広がっていく病気です。
見た目はほとんど変わらない。
でも、
中では確実に進んでいる。
そして、
・冷たいものがしみる
・噛むと痛い
・突然、歯が欠ける
こうした症状が出てきます。
これは、
虫歯が神経に近づいたサインです。
この段階になると、
神経を取る治療が必要になることもあります。
歯の中がスカスカになり、
外側だけが薄い殻のように残っている。
そんな状態で噛み続けると、
ある日、突然、崩れます。
「急に大きな穴があいた」
そう感じる時、
実は、ずっと前から中では進んでいたのです。
歯周病も、同じです
歯周病は、
歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットで菌が増え、
歯を支える骨を溶かしてしまう病気です。
ですが、
・歯ぐきが少し腫れる
・ポケットが少し深くなる
この時期には、
ほとんど自覚症状がありません。
私たちは、
・歯周ポケットの検査
・レントゲンでの骨の状態
・出血の有無
こうした情報をもとに、
歯周病が進んでいないかを判断しています。
歯ぐきが腫れる。
噛むと痛い。
歯がぐらつく。
こうした症状が出る頃には、
骨が実際に溶け始めていることが多いのです。
自然に治ることは、ありません
「痛くないなら、そのままでいい」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
風邪や小さなけがなら、
様子を見ることもあります。
でも、
虫歯や歯周病は、自然には治りません。
削った歯。
溶けた骨。
今の歯科医療では、
元通りに戻すことはできません。
できるのは、
これ以上悪くならないように管理すること。
進行を止めること。
だからこそ、
早く見つける。
そして、予防する。
そのために、
定期検診があります。
私たちが「検診に来てください」と言う理由
虫歯や歯周病を、
大がかりな治療が必要になる前に見つけること。
そして、
そもそも病気にならないように整えていくこと。
それが、
定期検診の役割です。
身体の健康診断と同じように、
お口の中も、ぜひ定期的にチェックしてください。
小さな変化を見逃さないこと。
予防できるケアをお伝えすること。
そのために、
私たちはいます。
最後に
大きく削らなければならない虫歯。
ぐらぐらして噛めなくなった歯。
そうなる前に来ていただけたら――
そう思う場面が、何度もあります。
ずっとおいしく食べられること。
楽しくおしゃべりできること。
そのための「今」の行動を、
どうか大切にしてください。
歯は、
声を出しません。
壊れるまで、
黙っています。
だからこそ――
何も起きていない今、来る。
それが、
歯を守るいちばん確かな選択です。
予防歯科について
予防歯科に関しては「日本予防歯科学会」のページで詳細をご確認いただけます。
※現在のご案内
現在、多くのご予約をいただいており、治療のご案内までお時間をいただいております。
このたび、検診をご希望の新患の方(痛みや外れたなどの症状がない方)の受け入れを再開いたしました。
(※電話予約受付のみ)
治療をご希望の方につきましては、ご予約枠に余裕ができ次第、順次ご案内させていただきます。
再開の際には、ホームページにて改めてお知らせいたします。
また、再初診(以前に通院歴があり、しばらく間が空いている方)につきましては、
状況に応じてご相談を承ります。
何卒ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
