― では、どうしたら防げるのでしょうか ―
前回の記事で、
虫歯や歯周病は、痛みが出る前から静かに進んでいる――
そんなお話をしました。
「じゃあ、どうすれば防げるの?」
そう思われた方も、きっといらっしゃると思います。
今日は、その続きのお話です。
▼記事監修
――広島県安芸郡府中町にある新生歯科医院、院長の河本です。
初めてお口の中を拝見する時
診療をしていると、
いろいろな場面に出会います。
なかでも、
初めて来院された患者さんのお口の中を拝見する時は、
少し緊張します。
問診である程度の状況は想像できます。
それでも、思ってしまうのです。
「大きな虫歯がありませんように」
「グラグラの歯がありませんように」
歯科医としては当然のことですが、
やはり毎回、そう願っています。
「きっとひどいですよね…」
「しばらく歯医者に行っていなくて…
きっとひどい状態ですよね」
申し訳なさそうに、
そうお話しされる方も少なくありません。
実際、かなり進行してしまっていることもあります。
もちろん、そこから一緒に治療計画を考え、
どう守っていくかを相談していきます。
でもその時、私はよく思います。
この虫歯は、いつから始まっていたのだろう?
患者さんも、同じ疑問を持たれることが多いです。
虫歯は「ある日突然」ではありません
虫歯の始まりは、
本当に小さな変化です。
・点のような小さな穴
・歯の表面が少し溶け始める
・見た目では分かりにくい変化
そこから、
時間をかけて少しずつ進んでいきます。
では、どれくらいの速さなのか。
正直に言うと――
はっきりとは言えません。
虫歯の進行には、
・歯の質
・お口の環境
・生活習慣
・ケアの状況
さまざまな要因が関係するからです。
つまり、
「人それぞれ」
そして
「その時々による」
というのが実際です。
歯の構造も関係しています
歯は外側から、
エナメル質
象牙質
歯の神経(歯髄)
という構造になっています。
外側のエナメル質はとても硬く、
虫歯は比較的ゆっくり進みます。
しかし、
象牙質に達すると状況が変わります。
ここは柔らかいため、
進行が一気に速くなることがあります。
「急に大きな虫歯と言われた」
そう感じるのは、
この構造も関係しています。
実際には、
もっと前から静かに始まっていることが多いのです。
お子さんの歯は、さらに注意が必要です
乳歯は永久歯より柔らかく、
虫歯の進行がとても速い傾向があります。
また、生えたばかりの永久歯も
まだ未成熟で刺激に弱い状態です。
特に、
6歳前後に生える奥歯(第一大臼歯)
これは磨きにくく、
虫歯のリスクが高い歯です。
「子どもだから大丈夫」ではなく、
むしろ丁寧なケアが必要な時期です。
半年ごとの検診で十分?
「半年に一回行けば大丈夫ですか?」
よくいただく質問です。
もちろん一つの目安にはなります。
ですが実際には、
同じペースで検診に来られていても、
・虫歯ができやすい方
・初期虫歯の段階で維持できている方
に分かれます。
その違いは、
日常のケアや生活習慣が大きく影響しています。
虫歯を防ぐために大切なこと
シンプルに言うと、2つです。
① 虫歯をつくらないこと
② 初期虫歯の段階で進行を止めること
象牙質まで進んだ虫歯は
元に戻せません。
ですが、
エナメル質の段階なら進行を止められる可能性があります。
そのためには、
・歯みがきでプラークを減らす
・歯科医院での定期的なクリーニング
・糖分の摂り方の見直し
こうした積み重ねが重要です。
定期検診は「歯石取り」だけではありません
検診では、
磨き残しのチェック
生活習慣の確認
リスクの早期発見
ケア方法の調整
こうしたことを行っています。
つまり、
予防は“歯医者任せ”でも、“自己流だけ”でもありません。
一緒に整えていくものです。
最後に
虫歯は、
ある日突然できるわけではありません。
静かに始まり、
気づかないうちに進みます。
だからこそ――
何も起きていない今。
痛みがない今。
そのタイミングを、
大切にしていただきたいと思っています。
私たちは、
「削らなくてよかった歯」を増やしたい。
そのためのお手伝いを、
これからも続けていきます。
どうか、
定期検診を生活の一部にしていただけたらうれしいです。
予防歯科について
予防歯科に関しては、日本予防歯科学会のページで詳細をご確認いただけます。
※現在のご案内
現在、多くのご予約をいただいており、治療のご案内までお時間をいただいております。
このたび、検診をご希望の新患の方(痛みや外れたなどの症状がない方)の受け入れを再開いたしました。(電話予約受付のみ)
治療をご希望の方につきましては、ご予約枠に余裕ができ次第、順次ご案内させていただきます。
再開の際にはホームページにて改めてお知らせいたします。
また、再初診(以前に通院歴があり、しばらく間が空いている方)につきましては、状況に応じてご相談を承ります。
何卒ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
